お手軽!パソコンで英語劇作品づくり〜ラジオ劇、ビデオ劇〜
実践の目標
○生徒が自分で考えて作ったストーリーや台本で英語劇作りを行うことで、英語で表現することの楽しさを味わう。
○セリフの練習を通じて、生きた英語の表現力を磨く。
○他の生徒の英語劇を見たり聞いたりすることで、英語劇の楽しさを味わうとともに、英語を理解する力を養う。
英語の学習では、英語を話したり聞いたりする音声面における技能の育成が求められています。このため、役を決めて読み合わせをしたり、スキット(寸劇)を作って発表するなど、様々な工夫をされている先生が多くいらっしゃいます。けれども、週に4時間から3時間に授業時間が減り、このような表現活動を行うには十分な時間を確保することが難しいのが現状です。また、教えているクラスの実態を考えたとき、人前で英語を読んで発表することが苦手であったり、なかなか作品が発表できるレベルに到達しない生徒が思い浮かんで、この手の表現活動を実践するのに、ついつい二の足を踏んでしまうことが多いのではないでしょうか。
ここで紹介するのは、音声編集ソフトや動画編集ソフトを使った、生徒の英語劇作品づくり支援アイデアです。10年前であれば、英語劇作りにあたっては、ラジオ劇ではカセットテープに吹き込んだり、ビデオ劇では8ミリビデオなどで録画するのが普通でした。けれども、この方法では、収録にあたってNGが頻発して時間がかかりすぎたり、場面を順番通りに撮影しなければならないなど、効率の悪さがありました。また、できあがった作品も、間延びが多くて鑑賞している生徒が飽きてしまったり、ストーリーをつかみづらいなど、発表場面でも難しさが多かったように思います。これを一気に解消してくれたのが、音声編集ソフトと動画編集ソフトの活用です。音声にしろ、動画にしろ、場面やセリフを収録してしまえば、編集段階で一つの作品に仕上げることができます。また、音声を修正したり、効果音を入れたりという音声加工や、動画のエフェクト機能を効果的に用いることで、一定の作品レベルに押し上げることも可能になりました。このような教師の支援を得て、生徒は安心して台本作りや、自分のセリフの練習に集中することができます。
では、実際に具体的な授業の流れをご紹介しましょう。
@劇のもととなる読み物作品の提示(教科書の文章が理想です。適当な作品がない場合は、初歩学習者向けの読み物がよいでしょう)Aグループ分けと内容読み込みB台本作りCセリフ練習D収録E〔教師が編集〕F発表
利用できる授業時間数によっては、読み物作品を台本にする際に、生徒なりに物語をアレンジさせてあげるとよいでしょう。ここでは、コンピュータに関わる内容として、収録と発表に絞って実践のポイントを紹介します。
【ラジオ劇】
《準備@》物語の内容に合ったBGMや効果音を用意しましょう。効果音はビデオ編集ソフトやホームページ作成支援ソフトに「おまけ」として付いてくるものでもかまいませんし、一般的な素材集にも収録されています。
《準備A》サウンドレコーダーを使ってセリフを吹き込みましょう。セリフは1つ1つでもかまいませんが、収録の臨場感をだすために、通して吹き込ませるのがよいでしょう。明らかなミスや、生徒が「やり直したい」とリクエストのあった部分を収録しなおしておき、編集作業で修正しましょう。素材が集まったら、音声加工ソフト(ここでは『Digi
On Sound3』)を使って編集します。
《編集》まず、通して吹き込んだ音声を読み込みましょう。作品を聞きながら、間延びした部分は削除し、余分な雑音は無音化します。NGなどで収録しなおした修正部分を挿入すれば、作品の基本はできあがります。このあと、トラックを追加し、BGMや効果音を読み込みます。セリフを聞きながら、タイミングをあわせてミキシングしましょう。これでできあがりです。音声編集ソフトの種類によっては、追加できるトラックの数に制限がある場合がありますので、気を付けてください。
《発表》Digi On Sound3を使うと、waveファイルとして書き出すことができます。書き出しができたら、CD-Rに焼き込んで、通常のCDと同じように再生できます。教室にCDプレーヤーを持っていけば準備OKです。トラックごとに作品が管理できますので、生徒に発表順を決めてもらって、その順番に流すことができます。
【ビデオ劇】
《準備》BGMや効果音についてはラジオ劇と同じです。デジタルビデオカメラを用意し、場面ごとに撮影します。空き教室や特別教室を使うと、撮影がスムーズになります。ストーリーの順番で撮影できれば編集は楽ですが、入れ替えることもできますので、あまり心配することはありません。
《編集》ビデオ編集ソフトも様々な種類が出ています。編集の操作性や編集時間、使える効果の多彩さなど、目的によって使うソフトがかわります。ここでは『MegaVi
DV2』を使って編集します。まず、素材となる動画をDVからパソコンに読み込みます。編集用のストーリーボードに動画を置き換えたら、場面ごとに組み替えます。場面の転換ではクロスフェードなどのエフェクトを使うと新鮮です。また、テロップを使うと鑑賞する生徒がストーリーを追って理解しやすくなります。
《発表》できあがった作品をDVに書き戻し、教室で見せてもよいのですが、ウェブページ用の動画ファイルを作るのも一つのアイデアです。ホームページ作成支援ソフトを用いて発表用のページを作り、それぞれの動画とリンクさせておきます。このページを使えば生徒はパソコン室でそれぞれの作品を楽しむことができます。こうすると、分からない部分を繰り返し視聴することができますので、教室で一斉に発表するのとは違った効果が期待されます。
劇制作にあたって、生徒は最初とまどいを覚えるようです。けれども、他のグループの取組みを見たり、教師のアドバイスによって、徐々に台本の内容に工夫を凝らしたり、自分たちでBGMを指定してくるなど、表現する楽しさを感じながら制作に取り組めるようになりました。また、発表に際しても、各グループの工夫を楽しみにして、高い集中力で鑑賞することができました。表現の方法としては、ラジオ劇や演劇のほか、紙芝居や人形劇、パソコンを使って描いた絵を使うなど、教師が驚かされるようなアイデアも登場しました。さらに時間の制約が厳しい中で表現活動を支援する場合、パソコン室の活用を積極的に進めてはいかがでしょうか。あらかじめ準備した動画にアフレコ用台本を考えさせ、その場でサウンドレコーダーを使って吹き込むことなども考えられると思います。
○使用したハード NEC Lavie C LC700/6
○使用したソフト Digi On Sound3 / 潟fジオン(音声編集)
MegaVi DV2 /Just System(動画編集)
ホームページビルダーVer.7/日本IBM(ウェブページ作成)

デジオンサウンド3の編集画面

コンピュータグラフィックを使った作品

紙芝居と人形を使った作品

人物が登場する演劇作品

紙芝居の作品