皆さんは「やる気」ってどこからくると思いますか。

 セリグマンという人がある実験をしました。犬を箱に入れて床に電気を流します。(笑)これだけでもひどいですね。この犬はどうすると思いますか。え、「鳴く」?ま、鳴くでしょうけど、当然逃げ出しますよね。

 セリグマンはさらに首輪をつけちゃう。でも、目の前のランプが点滅して、10秒以内に鼻面でスイッチを押すと電流から逃れられる仕組みを作っておくんです。すると犬はちゃんと学習して、ランプが付くとすぐにスイッチを押して、電撃から逃げるようになったのです。

 ここまでなら、「ひどいなあ」くらいで済みますけど、セリグマンはまだまだ止めない。なんと、スイッチのない箱に犬を入れて64回の電撃を加えるんです。すると、最初は逃げ惑っていた犬ですがどうにもならないことがわかると、寝そべったま動かなくなってしまう。電撃を流されても、ひたすら耐える...。え、怖いって?いやいや、怖いのはこれからです。

 この犬をスイッチのある箱に入れて同じように電流を流すのです。スイッチを押せば電撃から逃れられるのに...犬は、「もうどうしようもないんだ」とさっき学習してしまったので、工夫すれば逃げられるにもかかわらず、何もしようとしなくなっちゃうんですよ。

 これを「何もできないことを学んでしまった犬」とといって、人間様にも「あきらめることもくせになる」とか「何度やってもダメだったという経験をすると無気力になって何もしない」などと当てはめる人がすごく多いんですけど、みんなはどう思いますか。要するに、何度やっても、どうやってもだめだった、という経験を持ってしまうと、何もやる気がなくなるぞということらしいのだけど。

 私は、大学生のころこの話を聞いて思いましたね。「ちょっと待ってよ。私たちは犬じゃないぞ」ってね。なにごとによらず、いろいろな見方が大切です。

☆参考にした本:ロジャー・R・ホック編 『心理学を変えた40の研究』ピアソンエデュケーション 2007 、磯貝芳郎編著『教育心理学の世界』福村出版 1981 
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第11の扉 「あきらめることもくせになる!? 犬と電流」