面白い実験をした人がいます。面白いというより、怖いと言った方がいいかもしれませんね。
アメリカのある小学校の女の先生が、自分の受け持ちの生徒にこういうんですよ。
「青い目の人より茶色い目の人の方がすぐれている」
もちろん、実験だ、ということは生徒に伝えてあるんですよ。でも、今日一日は青い目の人はダメダメな人たちで、茶色い目の人はすぐれているんだっていうルールをやってみたらどうなるか、と。先生もめちゃめちゃ茶色い目の人を大事にするんです。一方で、青い目の生徒を差別するんですね。先にロッカーに行くのは茶色い目の人、とか、勉強ができるのは茶色い目の人、とかね。青い目の人は茶色い目の人を遊びに誘っちゃダメで、その反対はOKとか。
そのうち、生徒たちも頭に乗ってきて、茶色の目の子たちが青い目の子どもたちを馬鹿にし始めたりする。
どうなったかというと、みんなそれが嘘だということは分かっているのに、あっという間に茶色い目の子たちは元気いっぱいになり、青い目の子たちはすっかり元気がなくなってしまう。この人は、ものの1時間でそうなったと書いていますね。
でも、翌日には、立場を逆にするんですよ。すると今度はあっという間に立場が逆転する。仲の良かった子ども同士でも、あっという間に威張る側と威張られる側になってしまったそうです。
この先生は、黒人差別について「どうしたら本当に差別される側の気持ちになれるのか」ということでこの実験をしてみたそうです。ちなみに、子どもだけでなく、大人でも同じような実験をしていますが、結果は同じだったそうですよ。
人間って怖いですよね。人間って怖い、ってことを知っていて、「人を信じる」のと、こういう怖さを持っていることを知らないで「人を信じる」って言うのとは、大きな違いだと思うんですよね。あなたはどう思いますか?
★本を書いた人/出典:『青い目茶色い目』ウィリアム・ピータース1971日本放送出版協会
第15の扉 「青い目、茶色い目 差別の心」